北京の路地裏を歩けば、今でも時折見かける光景があります。大きなやかんから注がれた茶を、どんぶりのような大きな茶碗で一気に飲み干す人々の姿。これが北京の庶民文化として受け継がれてきた「大碗茶」です。高級茶葉を使ったものではなく、手頃な価格の茶葉を大胆に煮出した、素朴で飲みやすい茶。観光客向けのパフォーマンスではなく、労働者や年配の北京市民の日常生活に根ざした、等身大の北京を味わえる一杯です。
1、大碗茶の3大魅力
北京の「市井」の生活を体感できる
大碗茶を飲むことは、北京の「市井」(庶民の生活)を肌で感じる体験です。路傍や市場の片隅に設けられた簡素な茶店は、人々がひと休みし、世間話に花を咲かせる社交場。観光地では得られない、北京のリアルな日常と人々の息遣いを感じることができます。
2、驚くべき価格と素朴な味わい
その名の通り、文字通り「大きな茶碗」で提供される大碗茶は、一杯わずか2元から5元(約40〜100円)という驚きの価格。茶葉はジャスミン茶(香片)や緑茶などが多く、強い渋みや苦味はなく、すっきりと飲みやすい味わいが特徴。「量を飲む」ことを目的とした、市井の知恵から生まれた茶のスタイルです。
3、歴史ある「茶棚」の風情
大碗茶を提供する屋台や小さな店は「茶棚」と呼ばれ、かつては街中のあちこちに見られました。今では数少なくなった茶棚は、移り変わる北京の街並みの中で、昔ながらの面影を留める貴重な文化。そこで飲む一杯は、単なる茶ではなく、古き良き北京の時間をいただくような体験です。
4、味わえる場所
大碗茶を体験できるのは、観光地化されていない市井の空間です。
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老舗の茶館:「老舍茶館」などでは、大碗茶のスタイルを体験できるメニューを提供。
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路地裏の茶棚:胡同(フートン)の入口や市場など、地元民の生活の場にひっそりとあります。
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公園内の茶売り場:天壇公園や陶然亭公園など、地元客でにぎわう公園内でも発見できることがあります。
5、味わい方のポイント