成都といえば、パンダと辛い料理のイメージが強いですが、実は深い歴史を持つ街。2001年に発見された「金沙遺跡」は、成都の歴史を約3000年前(それ以前の2300年から一気にさかのぼります)まで遡らせた、中国21世紀最初の重大な考古学発見です。
この遺跡の上に建てられた金沙遺跡博物館は、古代蜀王国の都邑(とゆう)であり、政治・経済・文化の中心であった場所。
ここでは、古代蜀文明の繁栄と神秘を、出土した数々の貴重な文化財とともに体感できます。
金沙遺跡博物館の3大魅力
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「太陽神鳥」をはじめとする国宝級の秘宝: 博物館の最大の見どころは、何と言っても「太陽神鳥」の金飾りです。これは外径わずか12.5センチ、厚さ0.02センチ、重さ20グラムという極薄の金で作られた芸術品。中心から12本の光が放たれ、その周りを4羽の神鳥が飛び回る繊細なデザインは、古代の高い工芸技術と太陽への信仰を物語っています。
この「太陽神鳥」は中国文化遺産の標識として、また成都市の象徴としても採用されているため、街中でその意匠を目にする機会もあるでしょう。他にも、中国で現存する同時期のものとしては最大かつ完全な形で残る黄金の仮面など、煌びやかな秘宝の数々に目を奪われるはずです。
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古代の祭祀現場をそのまま体感できる遺跡館: 博物館は「遺跡館」と「陈列馆(展示館)」で構成されています。特に「遺跡館」は、古代の祭祀エリアが発掘された現場をそのまま保存・展示しているのが特徴です。巨大な空間には、数千年前の大型の木の根や、数トンもの象牙、そして無数の鹿の角やイノシシの牙などが埋もれた状態で見学でき、古代蜀王国で約500年以上も続いた大規模で盛大な祭祀の様子を間近で実感できます。ここは中国で最も保存状態が良く、継続時間が長く、祭祀の遺物が最も豊富な祭祀遺跡の一つとされています。
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三星堆との深い関わりと美しい園内: 金沙遺跡は、同じく古代蜀文明を代表する三星堆(さんせいたい)遺跡と深い関わりがあり、三星堆文明が衰退した後に成都平原で興った政治・文化の中心と考えられています。三星堆とは似て非なる文物も多く、古代文明の複雑なつながりを知る上で非常に興味深い場所です。日本の研究者である北九州市立大学の鄧紅教授も、金沙遺跡が示す中国文化の多元的起源と、各地域間の交流・継承の重要性を指摘しています。また、博物館の敷地は広大な緑に覆われ、「都市の中のオアシス」とも呼ばれる美しい公園でもあり、「烏木林」(埋もれ木の林)や「玉石の道」 などの景観スポットでは、成都平原の長い歴史と環境の変化を感じ取ることができます。

最適な観光プラン
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ベストシーズン: 一年中楽しめますが、過ごしやすい春(3月~5月) と秋(9月~11月) が特におすすめです。園内は四季折々の花が楽しめるように設計されています。
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理想の時間帯: 屋外の園内も広いので、午前中から昼過ぎにかけてゆっくり見学するのが良いでしょう。出土文物をゆっくり鑑賞したい方は、比較的空いている平日を選ぶのも手です。
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アクセス: 成都市の中心部に位置し、地下鉄「金沙博物館」駅からすぐなど、交通の便が非常に良いのも魅力です。

フォトグラファーとSNS映えした写真を狙う方へ
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定番ショット: 展示館のシンボルである「太陽神鳥」の金飾りは必ず収めたい一枚。精巧な複製が展示されていることもありますが、その美しさは変わりません。また、巨大な黄金の仮面も迫力のある写真が撮れます。
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ユニークな構図: 遺跡館で、巨大な象牙や所狭しと並んだ祭祀の痕跡を全景で収めると、スケール感と古代の神秘性を伝える写真に。園内の烏木林も、独特の風合いのある印象的な写真が撮れるスポットです。
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光と空間を活かす: 遺跡館の大空間を活かし、考古学者になった気分で発掘現場を見下ろす構図もおすすめ。展示館のシンボルマークがデザインされたエントランスなど、建物のモダンな建築美もフォトジェニックです。

おすすめの旅行者タイプ
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歴史・考古学ファン ★★★★★ 中国古代蜀文明の実像に触れられる最高のスポット。
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ミステリー・ロマンを求める方 ★★★★★ 未だ多くの謎に包まれた古代王国のロマンに浸れます。
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家族旅行(お子様連れ) ★★★★☆ 広い園内でのんびりでき、古代の神秘に子供も興味津々。展示館内には体験型の展示や4D影院(4Dシアター)もあり、楽しみながら学べます。
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写真愛好家・SNS発信者 ★★★★☆ 唯一無二の国宝と、インパクトのある遺跡の光景は、他では撮れない一枚を約束します。
「中国古代史のロマンに触れたい」「教科書では見られない神秘的な秘宝をこの目で確かめたい」「成都の深い歴史を感じたい」—— 金沙遺跡博物館は、そんな探求心に応え、はるか3000年前の時を超える旅へと誘ってくれるでしょう。