摩天楼が聳え立つ上海市街から西へ約1時間。そこには「水の都」として知られる朱家角の町が、時代を超えた風景を今に伝えています。「水郷(シュイシャン)」とは、運河と古い家々が調和する地域のこと。上海の近代的な喧騒から一転、穏やかな運河の流れと石畳の路地が続くこの町は、日本からの旅行者にこそ訪れていただきたい、もう一つの上海の顔です。
1、運河が織りなす「生きている博物館」
朱家角の魅力は、何と言っても町全体が開放的な歴史博物館のようであること。くねくねと続く運河には「放生橋」をはじめ36の石橋が架かり、そのたたずまいは「東方ヴェネツィア」とも称されます。川辺には明・清時代から続く白壁の民家が並び、時に「川船(チャワン)」と呼ばれる小船が行き交う光景は、まるで昔ながらの中国絵画の世界。町そのものが息づく、生きた文化遺産です。
2、必見!朱家角の三大風物詩
- 放生橋(ファンシェンシャオ): 町のシンボルである上海最大の五連アーチ石橋。橋の上からは運河と町並みが一望でき、絶好の写真スポットに。朝もやに煙る景色は特に風情があります。
- 北大街(ベイダージエ): 「一本街」の愛称で親しまれる、千年の歴史を持つ石畳の路地。両側には伝統的な建造物がびっしりと立ち並び、土産物店や軽食店が軒を連ねます。賑わいの中にも昔ながらの面影を残す、町一番の活気ある通りです。
課植園(ケヂーユエン): 「読書と農耕」を意味する、清代に造られた優雅な庭園。回廊や池、楼閣が見事に調和した造りは、蘇州庭園の影響を色濃く受けています。喧騒を離れてひとときの静寂を楽しめる隠れ家的スポットです。
3、舟遊びで楽しむ、もう一つの朱家角
運河沿いを歩くのも良いですが、ぜひ体験したいのが「川船」での舟遊び。船頭さんが櫂を操る小さな舟に揺られ、水上から町を見上げれば、また違った風景が広がります。通りすがりの船とすれ違うささやかな出来事も、旅の思い出に。特に夕暮れ時、ライトアップが始まる時間帯は格別のロマンチックな雰囲気です。
4、食べ歩き!朱家角の名物料理
この地でしか味わえない、素朴で滋味あふれるグルメも楽しみのひとつ。
- 豚の醬油煮(トンユァロウシュー): 醬油と香料でじっくり煮込んだ豚肉の角煮。ほろりと柔らかく、ご飯が進む味わいです。
- 粽子(ゾンズ): 竹の皮でもち米と具を包んで蒸した、ちまきの一種。朱家角のは大きめで、具もたっぷりです。
- 阿婆茶(アーポーチャー): 地元のおばあさんたちが振る舞う素朴なお茶。古い茶館でいただけば、のんびりとした時間が流れています。

5、最適な観光プラン
- 午前中: 町に着いたら、まずは放生橋で記念写真。その後、北大街を散策しながら食べ歩きを楽しみましょう。
- 午後: 課植園で中国庭園の静けさを満喫。その後は、運河沿いをぶらり散策か、舟遊びで町を一望。
- 夕方: 日没前に再び放生橋へ。夕日に照らされる町並みと、ライトアップが始まる幻想的な瞬間を見逃さないでください。

6、おすすめの旅行者タイプ
- 歴史・文化好き ★★★★★
- 写真愛好家 ★★★★★
- カップル ★★★★☆
- 家族旅行(お子様連れ) ★★★★☆
- 友人同士 ★★★★☆
「上海の近代的なイメージとは違う、伝統的な中国を感じたい」「のんびりと絵になる風景を散策したい」「日本ではなかなか体験できない水路の町を訪ねたい」――そんな方にぴったりの場所が、朱家角です。