古都・西安は、兵馬俑や城壁だけでなく、実は「甘味の古都」としても知られています。その中でも「甑糕」は、西安で朝から親しまれる伝統的な甘味スイーツ。糯米とたっぷりの棗(ナツメ)を、古代から受け継がれる蒸し器「甑」で何時間もじっくりと蒸し上げます。一口目は糯米のモチッとした食感と、棗がほろりと崩れるような甘さが口中に広がり、ほっこりとした優しい気分にさせてくれます。この素朴な甘さは、西安の人々のソウルフードとして、そして訪れる旅行者をも虜にする忘れられない味わいです。
1、甑糕の3大魅力
甑糕の3大魅力
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千年の時を超える「深い甘さ」: 甑糕の甘さは、砂糖に頼りすぎた単純なものではありません。たっぷりと使った棗そのものが持つ自然な甘みが主役です。糯米と層をなして蒸される過程で、棗の風味と甘みが糯米にじっくりと染み込み、上品でくどくない「米と棗の交融」と呼ばれる深い味わいを創り出しています。
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古代の炊具「甑」で受け継がれる伝統の技: 甑糕の名前の由来は、その調理に使われる古代の蒸し器「甑」にあります。この器具は新石器時代にまでそのルーツを遡ることができ、西安では今もこの伝統的な道具を使って甑糕が作り続けられています。職人は、糯米と棗を何層にも重ね、長時間の蒸しと弱火での蒸らしという決して急ぐことのない工程で、とろりと甘い一品を仕上げます。
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「見た目」も楽しいカラフルな層: 甑糕は、その断面がまた魅力のひとつ。琥珀色に輝く棗のペースト、真っ白な糯米、そして時にアクセントとして加えられる赤い小豆や緑の葡萄干しのコントラストは、目でも楽しませてくれます。店先で大きな甑から切り分けられる時、それらが美しい層を見せているのを目にすると、思わず写真に収めたくなります。

2、美味しい楽しみ方のコツ
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朝のひとときに、熱々で: 甑糕は西安では代表的な朝食や朝のおやつ。特に寒い季節には、蒸し上がりほやほやの温かい状態で食べるのが一番。体の芯から温まり、一日の良いスタートを切ることができます。
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棗と糯米を一緒に: スプーンですくう際は、上の甘い棗の層と下の糯米を必ず一緒にいただきましょう。両者が渾然一体となることで、甑糕本来の絶妙なバランスが味わえます。
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「鏡糕」との違いにご注意を: 西安の街中では、同じ「ジンガオ」と呼ばれる「鏡糕」という別の甘味も売られています。鏡糕は小さく丸い形で、その場で蒸してさまざまなトッピングを楽しむものが多いです。甑糕とは見た目も食感も異なるので、お求めの際はお気をつけて。

3、フォトグラファーとSNS映えした写真を狙う方へ
素朴ながらも色鮮やかな甑糕は、SNSに載せたくなる一枚を約束してくれます。
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断面のショットが決め手: 店先で甑から切り分けられる瞬間や、カップに入った甑糕の断面を接写し、糯米と棗の美しい層を強調しましょう。
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「甑」という道具と一緒に: 伝統的な蒸し器「甑」という、他ではなかなかお目にかかれない道具が写り込むだけで、写真のストーリー性とエキゾチックな雰囲気が一気に高まります。
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朝市の活気を背景に: 小南門早市など、活気あふれる市場の雰囲気を背景に、甑糕を手に持ったショットを撮れば、西安の日常を切り取った一枚になります。
4、おすすめの旅行者タイプ
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甘いもの好き・スイーツ探訪家 ★★★★★ 自然な素材の甘みと素朴な味わいを求める方に。日本の和菓子とはまた違った、糯米と棗の素直な甘さにきっと癒されます。
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歴史ロマンを感じたい方 ★★★★☆ 古代の調理法で作られ、周の時代にまでルーツを遡るとも言われる「食べる文化遺産」を味わうことができます。
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朝が得意な方・早起きして地元の生活を体験したい方 ★★★★☆ 西安の朝の街角で、地元の人々に混じって甑糕を食べるのは、旅の思い出深い体験となるでしょう。
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SNSで一味違う写真を発信したい方 ★★★☆☆ 日本ではあまり見かけない見た目と鮮やかな色彩は、フォトジェニックな被写体としても十分楽しめます。
「三千年の古都で、朝からほっこり甘味を味わいたい」「素材そのものの優しい甘さに癒されたい」「古代から続く伝統の味を、自分の舌で確かめたい」—— 西安・甑糕は、そんな思いを叶え、温かで甘い記憶としてあなたの心に残ることでしょう。